令和元年の10月1日から指定給水装置工事業者の有効期限が5年になったのは覚えてはりますか?
以前は給水装置工事業者の指定を一度受けたら更新が必要なかったんですが、法律が改正されて5年間の有効期限が設けられました。
今回は指定給水装置工事事業者の更新についてお話させていただこうと思います。
目次
1.指定給水装置工事事業者って何?
指定給水装置工事事業者というのは、水道法第16条の2第1項に基づいて水道事業者がその給水区域で給水装置工事を適正に施行することができると認められる者として「指定」した給水装置工事事業者をいいます。
例えば大阪市で給水装置工事をするならば大阪市の指定を受ける必要があり、堺市なら堺市の指定というように、工事をする区域の水道局に指定給水装置工事事業者の登録をする必要があります。
各区域に登録をする必要がありますが、区域ごとに要件が別というわけではなく、この指定要件は全国一律に定められているものです。
(厚労省HPより)
2.元の指定給水装置工事事業者の有効期限っていつまで?
「更新期限が無いころに指定を受けたけど、いつまで有効なのか分からない。」
「なんか水道局から通知が来てたけど、どこに行ったか分からなくなってしまった。」
大事にとっておいたはずなのにその手紙がどこかへ行ってしまった、というのは案外あるもので、そういう方のために初回更新の期限を書いておきますね。
指定を受けた日 | 有効期限の満了日 |
---|---|
平成10年4月1日~平成11年3月31日 | 令和2年9月29日まで |
平成11年4月1日~平成15年3月31日 | 令和3年9月29日まで |
平成15年4月1日~平成19年3月31日 | 令和4年9月29日まで |
平成19年4月1日~平成25年3月31日 | 令和5年9月29日まで |
平成25年4月1日~令和1年9月30日 | 令和6年9月29日まで |
更新できる期間は各水道局によって違いんですが、登録事業者が多い水道局は有効期限が長い傾向があるようです。
ある水道局に更新の件で問い合わせたところ
「有効期限ギリギリに更新申請が集中すると、役所の手続きが追い付かなくなるので余裕を持って更新の手続きをして欲しい。」
というようなことをおっしゃってました。
ちなみに大阪市水道局の場合は有効期限満了前の一年間が更新期間で、東大阪市は有効期限満了前の3か月前から更新の手続きをすることが出来ます。
初回更新時は大体の水道局から更新のお知らせが届くことになっているようです。
更新のお知らせが来ていても、うっかり更新することを忘れてしまって有効期限が切れてしまった場合は、残念ですが更新ではなく新規登録をし直してください。
3.指定給水装置工事事業者の更新の要件は?
更新の要件は基本的に新規指定時と同じです。
①給水装置主任技術者を営業所ごとに選任する
②給水装置工事を行うための機械器具を保有していること
③水道法第25条の3で規定された欠格要件に該当しない者
この3つが要件となります。
因みに①の給水装置主任技術者の資格を取得後1年以上の実務経験を積めば、建設業許可の専任技術者になる事が出来ます。
②の機械器具については、管切断機、鋼管ねじ切り機、トーチランプ、水圧テストポンプなど、給水装置工事で通常使用する機械器具を所有していれば大丈夫です。
通常の許可要件というのは『〇〇に該当すればこの要件は満たしています。』というものですが、③の欠格要件というのは逆に『これに該当する人には許可しません。』というものを言います。
4.指定給水装置工事事業者の欠格要件は?
水道法第25条の3で規定された欠格要件というのは次の表に記載している内容になります。
該当するものが一つでもあれば許可が下りません。
水道法 第25条の3第1項第3号 | |
---|---|
イ. | 心身の故障により給水装置工事の事業を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの |
ロ. | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 |
ハ. | この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者 |
ニ. | 第二十五条の十一第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 |
ホ. | その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者 |
ヘ. | 法人であつて、その役員のうちにイからホまでのいずれかに該当する者があるもの |
イについては、成年被後見人若しくは被保佐人として登記されていなければ大丈夫です。
ロは破産をしてまだ復権していない人はダメということですね。
因みによく質問されるんですが、ブラックリストに載っているのは欠格要件ではないので大丈夫です。
ニについては、給水装置主任技術者が退職して要件を満たさなくなったり、決められた届出をしなかったり虚偽申請をして取消されてから2年経過していなければ欠格要件に該当することになってしまいます。
5.給水装置の更新の書類は?更新は無料?
指定給水装置工事事業者の更新の書類は、法律で規定されているので全国的に同じです。
申請書の名称 | 備考 | |
---|---|---|
① | 指定給水装置工事事業者指定申請書 | |
② | 機械器具調書 | |
③ | 指定給水装置工事事業者証交付請求書 | |
④ | 指定給水装置工事事業者指定更新時確認書 | |
⑤ | 誓約書 | |
⑥ | 外部研修の受講を証明する書類(受講証等) | |
⑦ | 給水装置工事主任技術者免状のコピー | |
⑧ | 履歴事項全部証明書(原本) | 法人の場合 |
⑨ | 定款のコピー | 法人の場合 |
⑩ | 住民票の写し(原本) | 個人の場合 |
⑪ | 更新手数料(5,000円~10,000円ぐらいが多いです) | 各水道局によって金額は違います。 |
更新手数料と指定証の発行手数料がかかりますが、各水道局によって金額は違うようです。
おおむね5,000円から10,000円が多いかなと思います。
指定給水装置工事事業者に5年間の有効期限が出来ましたので、今後更新作業を忘れないように期限の管理をしていく事が必要になりました。
期限管理がなかなか大変ですが、許可がなければ給水装置工事を行うことが出来ないので、どうか忘れずに更新作業をしてください。