建設業許可業種の土木一式、とび・土工の違いって何?実務経験で専任技術者になる際は注意

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建設業許可を取る際に、施工管理技士などの資格をお持ちだと、取れる業種は全部取っちゃうので問題ないんですが、10年の実務経験で建設業許可を取得される際は、取得する業種を慎重に選ぶ必要があります。

お客さんから「土木一式ととび土工って何が違うんですか?」と聞かれることが多い『土木一式工事業』と『とび・土工工事業』。

今回はこちらの2業種の違いや、10年の実務経験で専任技術者になる場合の注意点もあわせてご説明させてもらおうと思います。

 

10年の実務経験で建設業許可の取得をご検討されている場合は、慎重にどの工事業種を取るべきなのか考えてもらえたらと思います。

建設業許可を取得した後に「やっぱり許可業種はこれじゃなかった」となっても、一度証明した10年間を他の業種に変更することは出来ません。

取るべき業種で困ったことにならないように、今から一緒に検討していきましょう。

 

 

1.土木一式工事業はどんな工事なの?

①元請の立場でする工事

(参考)建設工事の内容、例示、区分の考え方一覧(平成29年11月10日から適用)

土木一式工事業や建築一式工事業などの『一式工事業』は原則として、元請の立場で大規模かつ施工内容が複雑な工事を総合的な企画・指導・判断・調整のもとに行うものであると定められています。

複数の専門工事が組み合わさった、高速道路、橋梁、新幹線、トンネル、ダムなどの大掛かりな工事を元請の立場で、多くの下請業者に発注し、施工の管理や企画調整を行うような工事が『土木一式工事業』です。

 

原則として、元請の立場で行う工事が土木一式工事のため、下請業者の立場で部分的な工事に携わっているような場合は、土木一式工事業に該当する工事ではないという事になります。

 

②土木一式工事業の許可だけで何でも出来るわけじゃない

お客さんから「土木一式工事の許可があったら、土木系の工事は全部できるんでしょ?」と聞かれるんですが、それぞれの工事を単独で税込500万円以上の金額で請負う場合は、その工事の業種に対応する専門工事の許可が必要になります。

例えば、地盤改良工事や掘削工事をする場合はとび・土工工事業の許可が必要だし、道路を舗装するためには舗装工事業の許可が必要になるという事です。

 

【ポイント】
  • 土木一式工事業は元請の立場で総合的に企画・調整・指導・判断する工事
  • 土木一式工事業があればなんでも出来るわけじゃない

 

2.とび・土工工事業許可では何が出来るの?

とび・土工工事業は非常に幅が広い工事業種で、建築系工事と土木系工事の両方が含まれています。

また、他業種との分類が難しい工事も含まれていることも特徴の一つになります。

それでは、とび・土工工事業に分類される工事がどんな工事なのかを見てみましょう。

 

①とび・土工工事業

工事の内容 工事の例
足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事

・とび工事
・ひき工事
・足場等仮設工事
・重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事
・鉄骨組立て工事
・コンクリートブロック据付け工事

くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事 ・くい工事
・くい打ち工事
・くい抜き工事
・場所打ぐい工事
土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事

・土工事
・掘削工事
・根切り工事
・発破工事
・盛土工事

コンクリートにより工作物を築造する工事 ・コンクリート工事
・コンクリート打設工事
・コンクリート圧送工事
・プレストレストコンクリート工事
その他基礎的または準備的工事 ・地すべり防止工事
・地盤改良工事
・ボーリンググラウト工事
・土留め工事
・仮締切り工事
・吹付け工事
・法面保護工事
・道路付属物設置工事
・屋外広告物設置工事
・捨石工事
・外構工事
・はつり工事
・切断穿孔工事
・アンカー工事
・あと施工アンカー工事
・潜水工事

 

②他業種との区分について

  業種 考え方
『コンクリートブロック据付け工事』と『コンクリートブロック積み(張り)工事』について とび・土工工事業 ・根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事
・プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等
石工事業 ・建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事
・法面処理
・擁壁としてコンクリートブロックを積む工事または、はり付ける工事等
タイル・れんが・ブロツク工事 コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等(エクステリア工事を含む)
『鉄骨組立工事』について とび・土工工事業 鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負う
鋼構造物工事業 既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負う
『プレストレストコンクリート工事』について 土木一式工事業 橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事
とび・土工工事業 総合的に建設しないもの
『吹付け工事』について とび・土工工事業 法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事
左官工事業 建築物に対するモルタル等の吹付け
『屋外広告物設置工事』について 鋼構造物工事業 現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負う
とび・土工工事業 上記以外の屋外広告物設置工事
『防水工事』について とび・土工工事業 トンネル防水工事等の土木系の防水工事
防水工事業 建築系の防水工事
【ポイント】
  • 建築系と土木系の工事の両方の工事内容がある
  • 他業種との分類が難しいものがある

 

3.『土木一式』『とび・土工』の専任技術者になるには?

建設業許可の要件の一つに専任技術者というものがあります。

専任技術者は、技術面から工事の請負契約をサポートしたり、技術者の育成や指導などの業務を行う人です。

この専任技術者になるためには、資格を取得するか、実務経験を積んでなるかの2パターンがあります。

 

①資格で専任技術者になる

土木一式工事業
・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(第1種~第6種)
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(土木)
・技術士法(技術士試験):建設・総合技術監理(建設)
・技術士法(技術士試験):建設「鋼構造及びコンクリート」
・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士法(技術士試験):農業「農業土木」
・総合技術監理(農業「農業土木」)
・技術士法(技術士試験):水産土木「水産土木」
・総合技術監理(水産土木「水産土木」)
・技術士法(技術士試験):森林「森林土木」
・総合技術監理(森林「森林土木」)

 

とび・土工工事業
・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(第1種~第6種)
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(土木または薬液注入)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(躯体)
・技術士法(技術士試験):建設・総合技術監理(建設)
・技術士法(技術士試験):建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士法(技術士試験):農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)
・技術士法(技術士試験):水産土木「水産土木」・総合技術監理(水産土木「水産土木」)
・技術士法(技術士試験):森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
・技能検定:「型枠施工」技能士(2級は合格後3年以上の実務経験)
・技能検定:「とび」技能士(2級は合格後3年以上の実務経験)
・技能検定:「コンクリート圧送施工」技能士(2級は合格後3年以上の実務経験)
・技能検定:「ウェルポイント施工」技能士(2級は合格後3年以上の実務経験)
・技能検定(旧職種):「とび工」技能士 基礎ぐい試験(基礎施工士)
・地すべり防止工事士(合格後1年以上の実務経験)
・登録基幹技能者:
「登録橋梁基幹技能者」
「登録コンクリート圧送基幹技能者」
「登録トンネル基幹技能者」
「登録機械土木基幹技能者」
「登録PC基幹技能者」
「登録鳶・土工基幹技能者」
「登録切断穿孔基幹技能者」
「登録エクステリア基幹技能者」
「登録グラウト基幹技能者」
「登録運動施設基幹技能者」
「登録基礎工基幹技能者」
「登録標識・路面標示基幹技能者」

 

②実務経験で専任技術者になる

資格ではなく、実務経験で専任技術者になることも勿論可能です。

1.   10年以上の実務経験を証明する。
2.土木工学、建築学に関する学科を卒業 + 実務経験

中学、高校で2に記載した指定学科を卒業されている場合は、実務経験年数が短縮され5年以上の経験を証明することで専任技術者になることが出来ます。

また、高等専門学校、短期大学を含む大学で、2に記載した指定学科を卒業されている場合は、3年以上の実務経験を証明することで専任技術者になることが出来ます。

 

4.最後に…

今回は、土木一式工事業ととび・土工工事業の違いにスポットを当ててみました。

土木一式は元請の立場で行う大規模な工事で、土木一式の許可だけあっても、それぞれの専門工事は行えません。

今されている工事がどんな工事で、必要な建設業許可が何なのかを正しく知ることが、建設業許可を取得する上でとても大事です。

 

もしも、建設業許可の事でお困りでしたら当事務所にご相談されませんか?

まずは電話かメールでお問い合わせください。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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