建設業許可を取る!~管工事業~どんな資格があれば取れるの?

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税込で500万円以上の管工事を請負うためには、建設業許可の管工事業が必要になります。

  • 大きな管工事が入りそうだから、建設業許可を急いで取りたい。
  • 元請から管工事の許可を取得するように言われてる。
  • 数社と一緒に建設業許可を取得して、管工事の入札に参加する。

建設業許可を取得しようと思う理由は色々だと思います。

今回は、建設業の管工事業にスポットを当てて、詳しくお話させていただこうと思います。

 

管工事業を取得するとどんな工事が出来るのか、専任技術者にはどんな人がなれるのか。

建設業許可を取得するためにの要件についてを確認していきましょう。

 

1.管工事業で出来る工事は?

(参考)建設工事の内容、例示、区分の考え方一覧(平成29年11月10日から適用)

管工事業ではどんな工事が出来るのかを、まずは見てみましょう。

建設工事の種類 建設工事の内容
管工事業

冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事

  • 冷暖房設備工事
  • 冷凍冷蔵設備工事
  • 空気調和設備工事
  • 給排水・給湯設備工事
  • 厨房設備工事
  • 衛生設備工事
  • 浄化槽工事
  • 水洗便所設備工事
  • ガス管配管工事
  • ダクト工事
  • 管内更生工事(配水小管)

管工事業の許可を取得すると、家屋や建物の敷地内の配管工事が出来るようになります。

例えば、エアコン設置工事、給湯器取替工事、トイレやキッチンのリフォーム工事などが該当します。

 

① 管工事業の許可では出来ない工事

建設業許可の管工事業を取ったら、管にまつわる工事をなんでも出来るような感じがしますが、そうでは無い点に注意が必要です。

 

住宅や施設のダクト工事は管工事業の許可で工事が可能ですが、トンネルや地下道などの給排気のためのダクト工事は『機械器具設置工事業』の許可が無いと、税込500万円以上を請負うことは出来ません。

また、公道下等の下水道の配管工事は『土木一式工事業』となるため、経審を受けて公共工事を落札しようと考えているならば、管工事業の他に土木一式工事業の許可を取得する必要があります。

 

2.管工事業の専任技術者になれるのは?

建設業許可要件の一つである『専任技術者』には、次の資格をお持ちの方がなることが出来ます。

もちろん、実務経験を証明することが出来るなら、実務経験で管工事業の専任技術者になる事は可能です。

① 資格で専任技術者になる場合

資格があれば専任技術者になれるものと、資格を取得した時から何年間か実務経験を積む必要があるものがあります。

それではどんな資格があるのか見てみましょう。

資格区分 実務経験年数
1級管工事施工管理技士  
2級管工事施工管理技士  
機械「流体工学」又は「熱工学」・総合技術監理(機械「流体工学」又は「熱工学」)  
上下水道・総合技術監理(上下水道)  
上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)  
衛生工学・総合技術監理(衛生工学)  
衛生工学「水質管理」・総合技術監理(衛生工学「水質管理」)  
衛生工学「廃棄物管理」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」)  
給水装置工事主任技術者 1年
冷凍空気調和機器施工・空気調和設備配管(1級)   ※1  
冷凍空気調和機器施工・空気調和設備配管(2級)   ※1 3年
給排水衛生設備配管(1級)             ※1  
給排水衛生設備配管(2級)             ※1 3年
配管(選択科目「建築配管作業」)・配管工(1級)  ※1  
配管(選択科目「建築配管作業」)・配管工(2級)  ※1 3年
建築板金「ダクト板金作業」(1級)         ※1  
建築板金「ダクト板金作業」(2級)         ※1 3年
建築設備士   1年
計装      1年
登録配管基幹技能者 10年 ※2
登録ダクト基幹技能者 10年 ※2
登録冷凍空調基幹技能者 10年 ※2

※1…選択科目が「建築配管作業」とするものに限られます。

※2…平成30年4月1日の施行以前に講習を修了した方で、10年以上の実務経験が無い場合は、10年以上の実務経験を積み、講習修了証に『主任技術者の要件を満たす』と記載される必要があります。

 

以上の資格をお持ちの方が管工事業の専任技術者になる事が出来ます。

表の右側に実務経験年数と書いている資格については、資格を取得してから記載の年数以上の実務経験がある事を証明する必要があります。

平成30年4月1日以前に登録機関技能者講習を修了された方で、10年以上の実務経験が無い場合は、10年以上の実務経験を積み、主任技術者の要件を満たすと書かれることが要件となります。

(国土交通省HPより)

 

② 実務経験で専任技術者になる場合

資格ではなく、実務経験で専任技術者になることも勿論可能です。

1.   10年以上の実務経験を証明する。
2.土木工学、建築学、機械工学、都市工学、衛生工学に関する学科を卒業 + 実務経験

中学、高校で2に記載した指定学科を卒業されている場合は、実務経験年数が短縮され5年以上の経験を証明することで専任技術者になることが出来ます。

また、高等専門学校、短期大学を含む大学で、2に記載した指定学科を卒業されている場合は、3年以上の実務経験を証明することで専任技術者になることが出来ます。

 

 

3.建設業許可を取得するための要件

  要      件
1. 経営業務管理責任者(経管)
2. 専任技術者(専技)
3. 財産的基礎等
4. 欠格要件と誠実性
5. 営業所の要件等
6. 適切な社会保険への加入(令和2年10月1日追加)

① 経営業務管理責任者(経管)

建設業は一品ごとの注文生産であるため、工事の途中で会社が倒産してしまうなんて事があったら大変です。

経営の安定化のために、経営業務管理責任者は営業所に原則として常勤する必要があります。

令和2年10月1日から、経管の要件が緩和されたんですが、すべて説明するとややこしので簡単にいきましょう。

  1. 業種は関係なく、建設業の会社で常勤役員を5年間やったことがある人
  2. 建設業を営む個人事業主で、業種は関係なく5年間経営してた人
  3. 役員と個人事業主をあわせて5年間の人

こういう経験があればOKです。

微妙な経験の場合はお電話ください。

 

③ 財産的基礎

②の専任技術者は先ほどご説明させてもらったので省略して、次の財産要件いきましょう!

  • 法人の場合は、直近の決算書で純資産合計が500万円以上あればOK
  • 個人の場合は、元入金+事業主借勘定-事業主貸勘定+事業主利益=500万円以上あればOK
  • 法人、個人ともに500万円未満だったら金融機関の発行する500万円以上の預金残高証明書で証明する。

 

④ 欠格要件と誠実性

欠格要件というのは、これに該当すると建設業許可を取得できませんという要件です。

これは、隠して申請しても許可行政庁に100%にバレるので、申請を依頼する行政書士に話すようにしてください。

  • 当該法人・法人の役員等・株主(5%以上取得)・令3条使用人・個人事業主・支配人が対象です。
欠格要件
□ 警察のお世話になった(罰金以上)
□ 建設業法違反や建築基準法などに違反して処分された
□ 認知能力に問題があって成年被後見人や被保佐人である
□ 破産してまだ復権を得ていない
□ 許可を取消し等の処分(処分しないこと)から時間が経っていない
□ 許可申請でウソを書いたり、逆に都合の悪いことを書かず処分された
□ 暴力団員だ

簡単にいうとこんな感じです。

破産はダメですがブラックリストは大丈夫。

執行猶予中も欠格要件に該当します。

警察のお世話のレベルは、禁固刑以上は全部アウト

 

建設業許可を受けようとするものは、『誠実性』を有することが必要で、ここでいう『誠実性』を有するとは、『許可申請を行うものが請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないこと』です。

このような事があってから5年以上経っていないと、不正または不誠実な行為をするんじゃないの?となってしまい、建設業許可を取得することが出来ません。

 

⑤ 営業所要件

建設工事の請負契約などの締結、請負契約の見積り、入札などを行うために営業所を有している必要があります。

自宅兼営業所でも大丈夫ですが、居住スペースと明確に区切られている必要があります。

① 事務所など建設業の営業を行うべき場所を常時使用する権限を有していること
② 建物の外観又は入口等において、申請者の商号又は名称が確認できること
③ 固定電話、事務機器、机等什器備品を備えていること
④ 許可を受けた建設業者にあっては、営業所ごとに建設業の許可票を掲げていること
⑤ 支店等の代表者が常勤しており、かつ契約締結等に関する権限を申請者から委任されていること
⑥ 専任技術者が営業所に常勤して専らその職務に従事していること

 

⑥ 適切な社会保険に入っていること

これは令和2年10月1日から追加された要件です。

適切な社会保険への加入が確認できない場合は、加入されるまで申請書が受理されません。

許可行政庁からの社会保険への加入指導に応じない場合は、通報されることになっています。

(国土交通省HPより)

 

4.最後に…

今回は管工事業の許可を取ることにスポットを当ててみました。

どんな工事が該当するのか、どんな資格があれば許可が取れるのかお分かりいただけたでしょうか?

こうして見てみると、本当にたくさんの資格があるなと思いますね。

建設業許可を取得され、更なる飛躍となることをお祈り申し上げます。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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