経審を受ける際に気をつけることと、公共工事の落札を見据えてすべきことは?

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融資目的や元請に提出するためだけに経審を受ける場合は、『何点を目指すとか』『評点をアップさせる』ということは気にしません。

ですが、大多数の経審を受審されている建設業者さんは、公共工事の落札を目指していると思います。

ただ闇雲に経審を受けるのではなく、明確な目標を設定して、どうすることが公共工事落札への近道なのかをお話しさせていただこうと思います。

 

1.経審を受けることがゴールじゃない

めちゃくちゃ当たり前のことを書きましたが、経審は公共工事を落札するために必要な手続きの一つであって、目的ではありませんよね。

最終目標が明確でないと、そこまでの道筋が見えてきません。

先ずは以下の4点についてを決めて行きましょう。

これは必ず、決算を迎える前に行うようにしてください。

 

①どこの入札に入りたいのか 

経審は公共工事を落札するための手続の一つと言いましたよね?

経審を受けた後に、もう一つ必要な手続があります。

それは入札参加資格審査申請(指名願い)というやつですね。

この入札参加資格は各自治体個別に申請をする必要があります。(例外的に国交省一元というのもあります。)

大体の業者さんは、本店所在地の市町村と都道府県の入札参加資格申請をされますよね?

理由は地元加点があり、落札に有利となるからです。

 

②その自治体等の入札参加資格の受付期間はいつなのか 

私の事務所があるのは大阪府の堺市です。

なので、大阪府と堺市の入札を例に見てみたいと思います。

 

大阪府の建設工事の入札参加資格は随時受付のため、受付期間が過ぎてしまったから数年先まで参加できないということはありません。

堺市の建設工事の入札参加資格は3年ごとの更新制(例年12月受付)となります、随時受付ではありませんが定期的に追加受付があるので、そのタイミングで申請をすることが出来ます。

 

逆に、定期受付しかやってない自治体だと、せっかく経審を受けても入札に参加することが出来ないので、ここはしっかり調べておく必要があります。

 

③工事業種はどうするのか

建設業の許可業種が沢山あったとしても、経審は全業種受けないとダメなわけではありません。

何の工事を落札したいのか、その業種はどれぐらいの頻度で入札案件が出るのかを調べてみましょう。

因みに、格付け(ランク付け)のある「土木一式工事」、「建築一式工事」、「電気工事」、「管工事」、「舗装工事」等の業種の案件が、やはり安定して多いようです。

しかし他の業種は全くないのかと言えばそうではありませんので、どうするか考えてみましょう。

 

④どれくらいの金額の工事を請負いたいのか 

皆さん公共工事はどれくらいの金額の工事を請負いたいですか?

金額が大きければ売上高も上がるし、とてもいい事ですよね。

しかし、会社の規模に見合わない工事を請負うのは、発注者である自治体や落札者である会社自身も、お互いに高いリスクを背負う事になります。

そのため各自治体ごとに格付けを設定して、落札できる工事の請負金額を設定しています。

(大阪府HPより)

 

格付けが無い工事業種についても、『P点が〇点以上の業者が札入れ出来る』みたいに足切りで点数が設定されていることが多いです。

この点数については、マメに自社が入札に参加したい自治体の公告案件をチェックして、経審の点数を何点取るべきなのか下調べをする必要があります。

 

2.経審を受ける!決算を迎える前にすべき事は何?

どこの入札参加資格を取得するのか、どの工事業種で、いくらぐらいの金額を目指すのかを決めてもらいました。

そうすると、以下の2点が見えてきます。

 

経審を受ける際の目標
  1. どの業種の経審を受けるのか
  2. P点は何点を目指すべきなのか

 

経審の点数アップ対策は、決算を迎えてからでは遅い!

経審というのは、直前の審査基準日(決算日)までの一年間で、会社がどんな工事を請負い、社会的な義務を果たしたのかなどを点数化し、誰が見ても会社の状態を一目見て分かるようにしたものです。

なので、決算を迎えてからでは、どんな大きな工事をしても、技術者を多く雇い入れても、退職金制度を整備しても、P点に反映されるのは来年の経審の時になってしまいます。

経審で良い点数を目指すなら、決算を迎える前に対策をすることをおススメします。

 

3.経審で良い点数を取るにはお金が掛かるけど…

経審で良い点数を取るためには、利益を出して税金を納め、技術者を雇用し、社会保険料を払い、退職金制度を整備し、法定外労災保険の高い掛金を支払うことになります。

「当たるか当たらないか分からんもんにお金はなかなか掛けれない。」

そう仰る社長さんも確かにいらっしゃいます。

 

公共工事を受注するメリット

しかし、公共工事は自分で札入れする工事を選べるんですよ。

ということは、割の合わない工事や、やりたくない工事はしなくても良い。

それに、前受金があるので先出の経費が抑えられます。

 

着実に実績を積んでいくしかない

経審を受けたら絶対に工事を落札できるという保障はありません。

しかし、市で公共工事の実績を積み、市から府へ、そして国へとステップアップしている業者さんは沢山あります。

 

どんなことでも、軌道に乗るまでの準備段階が本当にしんどい。

『こんな事で、本当に大丈夫だろうか?』『落札できる日が来るの?』と不安になることもあるでしょう。

「経審受けても無駄!うちも昔は受けてたけど、全然当たれへんし、金もったいないだけやで。」と周りからそう言われて心が揺らぐこともあるかも知れません。

現在は、公共工事で回してる企業も、最初は全然落札出来ない日々が続いていたことと思います。

公共工事を落札するためには、一足飛びにいく事は考えずに、着実に一歩ずつ進み、実績を積み上げて行くことが大切です。

 

公共工事を受注すると、民間工事での信用度も上がります。

一年で公共工事の受注を諦めずに、どうか先を見据えて頑張ってもらえたらと思います。

 

 

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